クラシックギターの教則本で、弦をはじく右手は、p(親指)、i(人差し指)、m(中指)、a(薬指)となっています。18世紀のギタリスト、フェルナンド・ソルの教則本では、a(薬指)もあまり使わないんだとか。

フラメンコギターの教則本では、ch(小指)はラスゲアドに使うと書かれていることが多いです。


なんで小指を使っちゃいけないの？


実は、よく分からないまま現在に至る。なのでした。

この数年、自分の右手のトラブルを見直す中で、小指を使ってみるのはどうだろうかと思いつきました。

実は数年前に試してみたことがあるのです。

i,m,aの代わりにm,a,chを使って弾いてみました。なかなかいい感じだったのですが。なんとなくやめてしまいました。なぜかというと。


誰もやってないから


ギターの弾き方としてはアウトなのかな、と。今考えると馬鹿馬鹿しい考え方でした。

自分の音楽を演奏するのに、周りを見回す必要など無いのです。
そう思い直したきっかけは。

・ブラジルの作曲家ヴィラ・ロボスは、小指を使わないと言うアンドレス・セゴビアに「使わない小指なら切ってしまえ」と迫った。とか。アブない人です(^^; 
・アラン・ホールズワースは、コードワークの時、m,a,chを使っていた。
・エクストリームの名曲「More Than Words」で、ヌーノ・ベッテンコートは、5指全部使ったフィンガーピッキングで弾いているらしい。
・ゴンチチのチチ松村さんは、小指を使ったフィンガリングでバッキングを弾いている。
・山下和仁は「展覧会の絵」のソロギターアレンジで、小指のトレモロを指定し、コンサートで実際に演奏した。

これだけ証拠が揃って、ようやく自分もやってみる勇気が出ました。意気地なしにもホドがあります。

で。やってみたら。

・ボサノバのコードワークがびっくりするくらい楽に弾けるようになった。業務用レベルに近づきました。うれしい。
・手をつかむ動作で弦を弾くことで、右手のストレスが激減した。
・同時に5弦を弾くことが出来る。コードの響きが厚い。ヴィラ・ロボス「プレリュードNo.1」は5指のために書かれたのではないかと思えるほど、しっくり演奏できます。

などなど。メリットがいっぱいでした。もう少し続けてみます。またレポートします。

【2024.4.29追記】
現代ギターに、小指の使用についての記事が載っていることを知りました。
読んでみて、またレポートしますね。

現代ギター-2023年7月号

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